今日、電車の中で大泣きしている小さな男の子がいました。泣いて泣いて泣いて、本当に悲しい気持ちであふれていました。最初は、どうして泣いているのだろうと、遠くから見ていただけでした。
でも、気づいたら自分も悲しい気分になりそうなことに気づきました。小さな子の泣き声を聞いていると、心がぎゅーっとにぎりつぶされるように苦しくなりました。小さい頃を思いだして、伝えたいのに伝えられない、伝えたいのに伝わらないんだと思うと、つられて自分も悲しい気分になっていました。
でも、私はまだ声をかけられるほど強くない。そして今なら、泣いていた自分から離れて見ることで、外からは本当に何を伝えたいのかわからない。私も、男の子が何を伝えたがっているのかわからない。男の子もどう伝えたら伝わるのかわからない。
私はまだ、自分のことさえもうまく伝えられない。だから、男の子が言いたいことも分からないし、きっと理解できてもうまく伝えることはできないと思う。まだ自分にはだれも助けられないんだと知る。
でも、願うことだけはできる。なんとか男の子の思いが届きますように、男の子が人に伝えようとすることを嫌わないように、その時がんばって伝えようとしたことを忘れないように。あの男の子は、話すことを嫌わずに、自分の思いを伝えたいと思うまま伝えていけたらいいな。
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今日、このことを記録しようと思ったのは、
もしかしたらこの先、
今のこの気持ちを忘れてしまうかもしれない、
これから先、子どもが泣いていても、なんとも思わなくなってしまうかもしれない、
とふと思ったからです。自分が今そう思うこと、自分が今そう感じること、それはその時だけのもので、今記録しないと忘れてしまいます。
自分の思いを忘れたくない、
あのとき、何を考えていたのだろうか、
そんなふうになりたくない。
これからの自分のために、
貴重な一日を大切にするために、
過ぎていく今日を記録する。
毎日の思いと考えに向き合って、
毎日ひとつひとつまとめきることで、
毎日次の段階へ行く。
そうやって「今日」を守っていくことで、
自分だけの、自分なりの「楽しかった」、
そう思える毎日ができる。
そして、いつかそれは
大切な思い出になって、
しんどい時に助けてくれるはず。
毎日を守って、忘れないように、
今を忘れないために、
今日も「今日」を記録する。