月の葉っぱ

夜明けはもうすぐそこに。

にがてなひと

わたしはただ聞いていて、

知らなかったから「それ、なに?」とたずねた。

 

そしたら、

まるで「なに言ってるの?」と

いわんばかりの表情で、

さっきまで明るく話していた顔が一瞬で青銅の像のように。

 

知らなかった、だから聞いただけなのに。

知りたいと思ったから、聞いただけなのに。

 

とつぜん、そのフィールドに入らないでと言われたかのように

線引きされたように感じた。

 

知らないことはたくさんある。

私の知ってることなんてほんのちっぽけ、

そう知っている。

 

あなたのフィールド内で話すことは

もちろんあなたは詳しく知っている。

 

でも、だからといって

相手も深く知っていると思うのは、ちがう。

 

私が「知らない」というたびに、

目を見開くひとがにがて。

 

にがてだ。

 

どうしても。

 

きっといつまでも受け入れてくれないから。