月の葉っぱ

夜明けはもうすぐそこに。

雨に恋する

 

せっかく傘を持っているのなら

雨がふってほしい

 

さっき、やんだばかりでも

ふってほしいな、

なんて思いながら傘をさし続ける

 

みんな傘を畳はじめて

折り畳み傘の人は鞄の中へ

でも私は、

降ってるのか降ってないのかわからない、

なんて表情をしながら、傘をさしている

 

雨の音、雨のにおいが好きだから、

あえて雨の中お出掛けしたりする

 

晴れの時より人が少ないから

思う存分散歩が楽しめる

 

あめ、ふらないかなぁ

でも、あめがやんだから、

颯爽と自転車をこぐ人もいる

あめにぬれた道路を、

晴れた喜びと一緒に走り抜ける

それもいいなぁ

 

暑い日が続くと雨が恋しくなる

本を返す日が雨だと、

濡れそうで少し不安になるけれど。

 

傘の中の自分の空間が好き

雨が降ったあとの静けさが好き

降っているときの静けさも好き

傘が好き

 

あめのにおいも

あめがふったあとのにおいも

 

雨のある音も

雨のない音も

みんな好き

 

雨がないときの、風があらわれる音

またその風が吹く音

どれも好き

 

雨さんよ、降って降って、

人に雨の音と静けさを。